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 日本組織細胞化学会理事長  高松 哲郎この度日本組織細胞化学会理事長に就任しました。

 

 さて、今本会は以下に述べる重要な問題を抱えています。このことを背景に就任の抱負を述べさせていただきます。

 

 わが国の組織細胞化学は、1959年に設立された本学会とともに発展し、生命科学の様々な分野の研究者が学術活動を展開してきました。ところが、昨今会員数の減少が問題になっています。その原因は、近年進められてきた大学組織や研究費の見直しによって、専門医制度や科研費の割り当てを持たない学会が若い研究者に敬遠されたためと考えます。学会には一定数の会員を保有するスケールメリットが存在しますので、会員数を維持する方策についてさまざまな面から知恵を出し合う必要があります。ただ、その中心は魅力ある総会・学術集会や講習会であるべきです。

 

 もう一つの課題は、短期間のスパンでしかものを見ない国の予算に左右させられない経営基盤を作っていくことです。多くのプロジェクトは短期間での成果を求めており、研究者は理解されやすい、流行の分野や結果が予想できるものに飛びつきがちです。ただ、本学会は持続的な発展を目指すべきであり、数年で消え去ってしまうようなものではない真実の姿を求めて学会活動を行うことが重要です。この点から、学会が行っている講習会や AHC の発行のあり方をもう一度見つめ直すことが必要です。何故なら、これらの発展を学会本体の発展に結び付けることができれば、学会会員の減少をくい止めることにも繋がると考えるからです。

 

 最後に第 14 回国際組織細胞化学会議(ICHC2012)の開催についてです。ICHC は、国際組織細胞化学連合を母体機関とし、世界各地で4年毎に開催され、日本は 1972 年と 1996 年に主催しています。わが国はその後もこの分野の国際的リーダーとして発展に貢献し、今回三たび開催の機会を得ることが出来ました。日本において 16 年ぶりとなるこの国際会議をより充実したものになるよう鋭意準備中ですが、今回の主眼は、組織化学の古い殻を破るような新しい組織化学技術の探索と欧米各国とともにアジア各国の研究者との交流の場にすることです。

 

 以上今後 3 年間になすべき点について述べてきました。現在、楽しく研究をすることは夢となったかもしれませんが、本学会が研究の楽しさを発見できるような組織になればと思っています。2013 年末までの 3 年間よろしくお願い申し上げます。

 

 

日本組織細胞化学会理事長  高松 哲郎